2019-07-21から1日間の記事一覧

誰も言わない琳派美術史その⑩。琳派の本質は、複製と転用の効くデザイン力なのだ

【閑話休題】まだ桜が咲き残る4月なかば、僕は何十年ぶりかで鷹峯の光悦寺を訪ねました。目的は光悦寺はどのあたりにあったのか曖昧な記憶を正したいのと、今も当時のままと思われる光悦村の大通りを実見し、実際に千本通につながっているのを確認したかった…

■誰も言わない琳派美術史その⑨。琳派によって絵画はデザインとなり、生活用具となった■

文明史的に言うと、琳派芸術は近世から近・現代へとても重要な美術上の橋渡しをしています。狩野派が織豊政権の居城を飾ったり、徳川政権の二条城を装飾したのは事実です。しかしこの時代、絵画は潤沢な資金を持った権力者だけが発注する贅沢な注文生産品で…