【この顔にピン!と来たら、美術ファン】

下の3点のポートレートは、一見何の関係も無いように見えるかもしれませんが、実は一本の太い美術の潮流でつながっています。はじめ極東の小島で発生した版画による浮世絵。これらが日本の開国と共に西洋に流れ込んだとき人々は感嘆の声を上げました。ルネサンスいらい大切に考えて来

た遠近法は無視され、しかもアンリアルな色が平然と横溢している。でもそこに、新しい蠱惑的な絵画が成立していたからです。

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写楽三代目大谷鬼次江戸兵衛》1794ゴッホ《ダンギ―爺さん》1887 マティス《帽子の女》1905

最も鋭敏に反応したのはゴッホ。浮世絵に出会って、広重を模写するほど心酔し、暗い画風は色も弾けんばかりに夢幻的に変りました。色の魔術師と呼ばれるマティスも、20世紀に入ってゴッホの回顧展などで仲間と大変な刺激を受け、色が檻から解き放たれた野獣のように跋扈する「フォービスム」を誕生させたのです。色彩が現実を説明するという役割りを担う描画法は、この時ついに終止符を打ったのでした―――。

 

ゴッホなどポスト印象派に続く1900年前後の美術史が、近・現代の絵画を見るキモです。この激動の時代を押さえておくだけで、絵の見方がぐっと楽しくかつ深くなります。今年の森先生との講演会ではそのあたりにフォーカスして、浮世絵からピカソまで一貫した流れにあることを話させて頂きます。

 

美術評論家/美術ソムリエ 岩佐倫太郎

 

★お申込みはこのメールにご返信ください! 美術リレートークは 7月15日(日)です。 

 

■美術対談講演会@京都大学時計台 (7月15日14時~16時)

 

モネ・ゴッホマティスからピカソまで

浮世絵で始まる西洋美術

 

■会費 講演会4千円(含消費税)。その後5時から7時の懇談会6千円(参加自由含消費税)。

■後日振り込みのご案内を差し上げます。領収書を発行します。