2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧
昨年の2015年は琳派400年にあたるので、全国の美術館が呼応しあって同一テーマで 収蔵品などを公開しました。僕も東京では根津美術館の光琳の《杜若図》や《紅白梅図》 (熱海MOA美術館所蔵)の国宝を見たのを皮切りに、箱根の岡田美術館では宗達、光琳 の優…
日本の抽象美術は、「具体」の白髪一雄や元永定正が人気急上昇だが、こんな先人もいた。 ■□■ 生誕110年 村井正誠展 ひとの居る場所 【和歌山県立近代美術館】 ■□■ 年が明けてまもなく、和歌山市へ出かけました。もう何十年ぶりかもしれなかった。 目的は表題…
1615年の大坂夏の陣で政権を確定した幕府は、京都の朝廷に対し露骨な干渉を行う一 方、秀忠の娘、和子(まさこ)を後水尾天皇に入内させ、朝廷の外戚となるのに成功します。 これは美術史的に見て、別の意味で大事件でした。のちの尾形光琳という江戸初期の…
わがニューズレターの読者の皆さんは、「パノプティコン」をご存知だろうか。聞き慣れない言葉かもしれないが、これはイギリスの哲学者、ベンサムが発明したユニークな形の「監獄」のことで、一望監視施設などと訳されます。構造的には囚人の独房がズラリと…