2024-01-01から1年間の記事一覧

岩佐倫太郎(美術評論家) 講演会@大阪大学のごあんない

コロナ禍も収まり、控えていた講演会活動を2年ぶりに再開いたします。テーマは「広重からモネ・ゴッホへ」。浮世絵がルネサンスを破壊して、モネやゴッホらの新しい近代美術をいかにして生んだのか。東西文化の生々しい交流の美術史を多くの画像を見ながら…

「積みわら」の絵は浮世絵から生まれ出た、と言うと驚かれるだろうか?

モネ《ジヴェルニーの積みわら、夕日》65×92cm 1888‐89 埼玉県立近代美術館 いま大阪中之島美術館で人気開催中の「モネ 連作の情景」(2024年5月6日まで)に、3月26日から待望の1点が追加されました。《ジヴェルニーの積みわら、夕日》…

モネの「筆触分割」は、どのようにして生まれたのか? 「モネ――連作の情景」(中之島美術館)を見て

講演会の予告 6月9日(日)14時30~ (仮題) 「広重からモネ・ゴッホへ」~近代西洋美術はこうして始まった~ 於:大阪大学中之島センター10F 佐治敬三メモリアル・ホール 主催:大阪大学理学部数学科同窓会 協賛:民間企業及び講演会をサポートす…

「モネ連作の情景」大阪中之島美術館より 

《睡蓮》の向こうに、光琳の《燕子花かきつばた》を見た 印象派を代表するフランスの画家、クロード・モネ(1840‐1926)の連作展が、東京展(上野の森美術館)のあと、大阪の中之島美術館にやってきています。展示作品は70点で、全てがモネ。海外…

⑤モナ・リザは、ミロのヴィーナスの再来か?

■ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》⑤ モナ・リザは、ミロのヴィーナスの再来か? モナ・リザは、ミロのヴィーナスを下敷きにしていたーーと言うのが最近の僕の気づきです。誤解のないよう先にお断りしておくと、ミロのヴィーナスがエーゲ海のミロス島で農夫に発見…

➃モナ・リザは、なぜ顔を7:3にしているのか。

■ダ・ヴィンチ 《モナ・リザ》➃ モナ・リザは、なぜ顔を7:3にしているのか。 僕は前回、「モナ・リザとは受胎告知図である」、と書きました。モナ・リザは妊婦で、「科学の時代の真実が、ここから生まれる」ことを、寓意的に表わしています。伝統画を隠れ…

➂モナ・リザは科学の時代の聖像(イコン)である。

■ダ・ヴィンチ 《モナ・リザ》➂ モナ・リザは科学の時代の聖像(イコン)である。 注文を受けたはずの肖像画がなぜ、ダ・ヴィンチの手元に最後まで残ったのか?モナ・リザは2点あったのだとか説はいろいろですが、僕のストーリーをフィクションにするとこう…

②モナ・リザは、般若心経である。

「この名画はなぜ名画なのか」シリーズ ■ダ・ヴィンチ 《モナ・リザ》② モナ・リザは、般若心経である。 いきなりトンデモ説のタイトルみたいですが、別にモナ・リザが仏教だと言っている訳ではありません(笑)。ダ・ヴィンチの膨大な手稿(=科学ノート)…

①モナ・リザは、本当に美しいでしょうか?

「この名画はなぜ名画なのか」シリーズ 第6回 ■ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》① モナ・リザは、本当に美しいでしょうか? パリのルーヴル美術館。世界でもっとも有名な絵画と言われるモナ・リザ(1503‐06制作)は、セーヌ河沿いの「ドゥノン翼」の建物を2階…

あけまして おめでとうございます。

あけまして おめでとうございます。 新年早々、思いがけない能登の震災。被災地の皆さま、ご友人に心よりお見舞い申し上げます。 さて、辰年にちなむクイズです。日本でいちばん龍が多く棲息している都府県は、どこでしょうか?小生の観察では京都がいちばん…

2023年の音楽日記

【2023年の音楽日記】今年(2023)は正月に、吉村ひまりちゃんという 11 歳のバイオリニストを聞きに行きました。天才少女などとはもう呼べないくらい音楽性が確立していて、演奏のオーラに感銘を受けました。体が成長したらどんな演奏家になるのか、とても…